卵の栄養成分を効率よく取得するための調理法とは?養鶏場が解説します

【代表的な料理法】

・ゆで卵

沸騰したお湯の中で殻ごと6~10分茹でることでゆで卵が出来上がります。ゆで時間によって半熟や固ゆでなどのバリエーションがあります。

・ポーチドエッグ

70~80℃程度のお湯の中で割り入れた卵を約3分ほど茹でることで出来上がります。

・目玉焼き

調理油を敷いたフライパンで割り入れた卵を焼き上げる調理法。片面だけ焼く場合や両面を焼く場合で白身と黄身の固さにバリエーションがあります。

・ベイクドエッグ

卵を平らな焼き皿に割り入れてオーブンで調理します、

・スクランブルエッグ

ボウルで溶いた卵をフライパンでかき混ぜながら低温調理します。

・オムレツ

溶き卵を調理するスクランブルエッグと途中まで工程は一緒ですが、かき混ぜることなく、固まりのようにして仕上げます。

 

 

卵白、卵黄を合わせて食べる方が、栄養バランスは良い

たまごの卵黄の部分だけ食べる方もいらっしゃいますが、これは本当に勿体ないです。

卵黄はビタミンB群、ビタミンA・Dなどを豊富に含んでいます。対して卵白は、実はタンパク質の量は卵黄よりも豊富なのです。コレステロールもないので、低カロリーで高タンパクです。別々にしないで一緒に食べるようにするのがバランスを失わない理想的な食べ方です。

 

 

【結論!】生たまごで食べるのが理想的 

たまごに含まれるタンパク質やビタミンB群、レシチン等の脂質は熱に弱いこともあり、生で食べると栄養を損なわずに丸ごと摂取できるイメージがあります。

しかし思わぬ落とし穴も!!!

皮膚や毛髪の健康に大きな役割を果たしているビオチンですが、これが不足すると抜け毛が多くなることや、白髪が増える原因を作ってしまいます。

実は生たまごに含まれるアビジンという成分には、ビオチンの吸収を阻害する働きがあります。毛髪や肌が気になっている人は、食べ過ぎには注意した方が良さそうです。

生で食べるのは、栄養価を損なわず理想的ではありますが、アルブミンというタンパク質が未消化のまま吸収され、アレルギーの原因になる場合があります。
そのことから、卵白が液状でなくなり、卵黄が生に近い状態が理想的な食べ方となります。ちょうどポーチドエッグや温泉たまごの半熟の状態が理想的と言えます。
生で食べるよりも消化がよく、栄養価の損失も少ないので、病気や胃腸が弱った時には特におすすめの食べ方です。

 

 

加熱時間によって栄養素の吸収の効果が変わる

加熱する時間の長さによって、栄養の吸収の仕方や効果が変わってきます。
特にタンパク質は熱変性により吸収率が変わってきます。
研究によると、熱した卵に含まれるタンパク質のうち人間の体は91%も吸収出来るのに比べて生卵の場合はたった51%しか吸収できないそうです。

加熱せず、生たまごで味わううえでの一番のメリットは「ビタミン」の吸収率、特にビタミンB群の栄養を多く摂ることができるところです。

「なんだか元気が出ない、なんとなくパワーが出ない」そんな時は、生の状態でたまごを味わうことで、効果的にビタミンを摂取でき、元気をチャージできるかもしれません。

①生たまご

しかし、上記のような落とし穴もあるので、食べ過ぎは注意。

②半熟たまご(黄身、白身がトロトロ)

半熟たまごは、「どの栄養素を最も吸収できるのか」というより、もっとも体に負担をかけずに、たまごの豊富な栄養素をまんべんなく吸収できるのが特徴です。最も体への吸収が良い半熟たまごは温泉卵くらい柔らかい状態のものです。

ちなみに半熟たまごと固ゆでしたたまごでは、消化吸収にかかる時間が1時間も違うと言われています。「栄養を体に優しく、すばやく摂りたい」というときは半熟たまごが良いでしょう。

③ゆでたまご

ゆでたまごで味わう場合に特に得られるのが「ビタミンH」である「ビオチン」いう栄養素。先ほども記述したように、ビオチンには髪の毛を作る成分が多く含まれており、育毛効果が高いとも言われています。

 

 

高温調理は他の栄養素にも悪影響!?

卵を料理することによる悪影響もあります。研究では、料理することにより卵に含まれるビタミンAを約20%減少させることが分かっております。熱に晒す時間を出来るだけ短くすることで影響を減らすことができ、40分オーブン調理された卵ではビタミンDの損失が61%に上ったのに対して、軽く炒めるかゆでる場合では18%にまで損失率を抑えることが出来るそうです。

高温で料理することでコレステロール酸化物(オキシステロール)という物質が生成されます。このオキシステロールは動脈硬化を悪化させる原因物質と見られており、摂取を出来るだけ避けるべきものです。このオキシステロールは高温で揚げた料理に多く含まれ、フライドチキンやフライドポテト、天ぷらなどがその代表です。

 

 

まとめ

どの食べ方にも良い部分、懸念点があるため、用途によって使い分けることが良いと思います。

カロリーを抑える

⇒この観点から言うとポーチドエッグゆで卵がベターです。

野菜と組み合わせて

⇒卵は主な栄養素をほぼ含んでいますが、ビタミンCと食物繊維だけは少ないため、スクランブルエッグオムレツにトマト、にんじん、玉ねぎを加えたレシピがバランス良いです。

高温調理をする場合は

⇒エクストラバージンオイルやバター、ココナッツオイルを使用することをオススメします。

短時間で料理を済ませる

⇒熱を通しすぎると卵の栄養素はどんどん消失してしまうので、料理は手短にして熱を加える時間を短くすることが重要です。

今回ご紹介した、加熱時間の違いによる栄養素の吸収の違いを、日常の食生活でうまく活用しながら、たまごのある健康な暮らしをしていただけたらと思います。

 

 

 

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