卵を食べなくてもアレルギーが発生しちゃう!?卵アレルギーの原因とは?
卵を食べて顔が赤くなり腫れたり咳が止まらなくなったり、身体に異変が起きて悩んでいる方いませんか?
それはもしかすると卵アレルギーかもしれません。
食物アレルギーの中で最も多いのが、卵アレルギーです。卵は栄養価の高い食べ物ですが、アレルギーになるのでは?と不安に思っているママ&パパは少なくありません。特に胃腸の機能が未発達な幼少期は、色々な食品にアレルギー反応を起こしやすいのです。
以前、卵アレルギーの典型的な症状を紹介しました。
もしかして卵アレルギー!?卵アレルギーの人が出やすい症状を解説!
今回は卵アレルギーの原因についてご紹介していきます。
【卵アレルギーとは?】
卵アレルギーとは「卵・牛乳・小麦」の三大アレルゲンと言われ、食物アレルギーに分類されます。卵白や卵黄、殻を食べたり、触れることによって皮膚に腫れ、蕁麻疹ができ、痒くなったり咳が止まらなくなったりするアレルギー症状のことです。
卵アレルギーを起こす方は成人になってから発症する方もいらっしゃいますが、主に生まれて間もない「新生児」から幼稚園の年長さん、小学生に多く見られます。
これは身体の成長が未発達なこともありますが、腸管の粘膜や消化管、食べたものが体にとって有害か無害なのかを判断する免疫能力も未熟なためです。さらに卵は消化しにくいため体内に残り身体が異物として捉えてしまうのです。
さらに卵アレルギーは特定原材料7品目に含まれ、法律で表示することが義務付けられています。しかし魚卵、虫類卵、昆虫卵は表示対象外になっており重度の卵アレルギーの方は命に係わるので、必ず確認してください。
【免疫機能の誤作動で起こる】
食物アレルギーは、免疫の働きの誤作動です。本来は体に無害な食べ物を有害だと判断して、過激に反応してしまうのです。卵アレルギーも、免疫の誤作動で発症します。
初めて卵の成分が体に入ったときには、問題は起こりません。でも、このときに免疫細胞が「卵は敵だ!」と誤解して抗体を作ると、次に卵と接触したときにアレルギー反応が起こります。
「初めて卵を食べさせたときにアレルギーが出ました」と言う人は多いです。それまで卵を食べたことがなかったのに、アレルギー反応が出るのはおかしい。もしかして、卵アレルギーじゃないのかも!?
実は、卵の成分が体に入るのは、口からとは限りません。空中に浮遊する成分を吸い込んだり、肌に触れたりすることで、食べていなくても抗体ができている可能性があるのです。
卵は、どこの家にもあるごく一般的な食品です。それだけ成分に触れる機会が多く、知らないうちに抗体ができていることがあるのです。
【卵アレルギーの原因は?】
卵アレルギーの原因は卵に含まれるたんぱく質であるとされています。
その中でも、卵白に含まれる『オボアルブミン』や『オボムコイド』という成分が主な原因になるとされており、これらに対して体内で抗体を産生することによりアレルギー症状が発生します。
卵アレルギーは殻や卵黄よりも卵白が一番アレルギー反応が起こります。
ここでは卵アレルギーの原因となる主な物質をご紹介します。
- オボムコイド
- オボアルブミン
- オボトランスフェリン
- リゾチーム
このタンパク質は、しっかり加熱するとアレルギーを起こしにくい成分に変化します。離乳食で初めて食べさせるものによく火を通すのは、アレルギー予防の意味もあるのです。
卵の場合、黄身よりも白身の方がアレルギーを起こしやすいことがわかっています。離乳食で固ゆで卵の黄身からスタートするのは、このためです。
母乳にもアレルギー反応の原因となるアレルゲンが極微量含まれることがあります。
お母さんが卵を食べることでその1〜5時間くらいの間、母乳にアレルゲンが含まれる場合があります。そのため、離乳食を始めていない赤ちゃんでも、卵アレルギーになることがあります。卵を食べさせていなくて赤ちゃんにアレルギー反応が出たときはご自分が卵を食べていないか確認しましょう。
【こんな場合でも発症してしまう?】
①親がアレルギー体質でなくても発症する
親子の体質は似ている部分もありますが、食物アレルギーそのものが遺伝するわけではありません。アレルギーになりやすい体質は遺伝することがありますが、親がアレルギーだから子供も食物アレルギーになる、あるいは親がアレルギーではないから子供も食物アレルギーにならない、という科学的根拠はありません。食物アレルギーを発症する可能性は、誰にでもあります。
②ママが卵を制限しても発症する
卵アレルギーとはっきり診断された場合、授乳中のママも卵を制限するように指導されることはあります。しかし、発症していない赤ちゃんの予防のために、ママが食事制限をすることは意味がありません。
③完全母乳で育てていても発症する
母乳は赤ちゃんの免疫機能を高め、アレルギーの予防になると言われてきました。しかし現在では、この説は否定されています。
厚生労働省が2019年3月に改訂した『授乳・離乳の支援ガイド』には、「母乳栄養は、小児期のアレルギー疾患の発症に対する予防効果はない」と明記されています。
④鶏肉や卵を使った食品でも発症する
卵アレルギーの発症には、2つのケースがあります。
鶏肉や卵を使った食品を食べてアレルギー反応が出なかったのにも関わらず、卵を摂取したら反応が出るケースと、卵を与える前から鶏肉と卵の食品を摂取したことで反応が出るケースです。
⑤予防接種のワクチンでも発症する
間接的に卵を摂取する場合で、予防接種のワクチンも該当します。インフルエンザのワクチンを作る過程で卵の成分が少し入っています。そのため、アレルギー反応の心配がされています。インフルエンザの予防接種を受けられない場合は少ないそうですが、アナフィラキシーなどの心配がある場合、皮膚の浅いところでテストし様子を見ます。ワクチンをする前にお医者さんと相談することをおすすめします。
インフルエンザワクチン以外に麻疹のワクチンにも卵の成分が含まれています。インフルエンザのワクチン同様に、アレルギーが心配される方は皮膚にテスト用パッチを貼り、様子を見てから接種します。
【まとめ】
今回は赤ちゃんに急増している卵アレルギーの原因をご紹介しました。
卵そのものを直接摂取する以外にも、お母さんの母乳から摂取することや卵を使った食品など間接的に摂取した場合でも反応する人もいるでしょう。そのため、お母さんも必要に応じて食物除去をする必要があります。またワクチンにも含まれているため、接種する場合は病院に相談をしてテストを受けることが大切ですね。重度なアレルギーでも大きな病院で接種することが可能なため、相談してみましょう!
病院によっては卵アレルギーの対処法が違うため、ご自身の考えと違う方向性や不安な場合は複数の病院を受診することでお子さんに合った方法が見つかるかもしれません。外食時は目に見えなくても、間接的に卵を使用している料理が多いため気を付けてください。