卵の昔の値段はいくら?昭和・平成・令和の価格推移を徹底解説

昔から「物価の優等生」として親しまれてきた卵。手頃な価格で栄養価も高く、家庭の食卓に欠かせない存在です。しかし近年は価格が上昇し、「昔はもっと安かったのに…」と感じている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、昭和・平成・令和と時代ごとに卵の価格推移を、当時の物価や暮らしぶりとあわせて詳しく解説します。さらに、卵が「物価の優等生」と呼ばれてきた理由や、昔の卵は本当に安かったのかの疑問にも迫ります。

「物価の優等生」はどこへ?昔の卵は本当に安かったのか?

卵は、他の食品に比べて価格が安定していたことから「物価の優等生」と呼ばれてきました。しかし、近年では価格が高騰し、「本当に卵は物価の優等生なの?」と感じる方も増えているかもしれません。

実際に卵の価格が安定していたのは、1989年からおよそ30年間です。鶏の品種改良や飼育技術の向上、効率的な大量生産体制の確立などにより、1kgあたり150〜250円、Mサイズ1個あたり約9〜15円と手頃な価格が長く保たれてきました。

しかし、2020年以降は鳥インフルエンザの流行やウクライナ情勢、円安などの影響で生産コストや飼料価格が急上昇。東京の卸値でMサイズ1kgあたり350円を記録するなど、過去に例を見ないほどの高値となりました。

参照:JA全農たまご株式会社「相場情報|月ごとで見る」たまご博物館「経済学コーナー」

昭和・平成・令和:卵の値段ヒストリー

卵の価格は、時代とともにどのように変化してきたのでしょうか?ここからは、昭和・平成・令和の3つの時代を振り返りながら、卵の価格とその背景にある社会の動きをひもといていきます。

江戸時代~明治初期:卵は「高級品」だった

かつて卵は、庶民にとって特別な食べ物でした。卵が広く食べられ始めたのは江戸時代からで、当時は滋養強壮や病気治療の目的で用いられていました。価格は1個あたり約20文、現在の貨幣価値に換算するとおよそ400円相当です。

明治初期に入っても卵は依然として高価で、卵1個あたり0.8〜1.6銭で取引されていました。これは、1個あたり約120〜240円に相当します。

一方、現代では卵の高値が続いているものの、1個あたり20〜30円で購入できます。この価格差からも、卵がかつていかに貴重だったのかがよくわかります。

参照:小林ゴールドエッグ「ソムリエ日記|江戸時代のたまごの値段っていくら!?」

昭和初期~戦後:貴重な栄養源としての卵

卵が庶民の味として定着し始めたのは、大正から昭和初期にかけてのことです。日本では養鶏が本格化し、都市部でも鶏を飼う家庭が増えました。

ただし、現代のような大規模な養鶏場は無く、生産量が限られていたため、卵は以前として貴重な存在で贈答用や特別な日のごちそうとして扱われていました。

やがて戦争が始まると、深刻な食糧難により卵の価格は高騰し、配給制度のもとでも手に入りにくくなりました。

戦後もしばらくは食糧事情が厳しく卵は高級品のままでしたが、日本全体が栄養不足に悩まされる中で、栄養価が高い卵が注目されるようになります。

なお、1951年の卵の価格は、1個あたり約16円。当時の大卒の初任給5,500円で換算すると、現代価格でおよそ300円に相当します。

参照:素ヱコ農園「平飼い卵が高いワケ──“卵が安い国” 日本の畜産史を3分で理解」

昭和30年代~平成:安定期突入!「物価の優等生」の時代

昭和30年代後半から日本は高度経済成長期に入り、畜産業が本格化し、卵の生産も大きな発展を遂げます。

1960年代には、アメリカからトウモロコシや大豆などの飼料穀物の輸入が拡大し、海外で改良された種鶏の導入も進みました。また、アメリカ式の「バタリーゲージ」と呼ばれる多段式ケージ飼育法が普及し、鶏舎の大型化・効率化が加速します。

1970年代には、鉄道や大型トラックによる効率的な飼料輸送が確立し、大規模なシステム養鶏が実現しました。こうした養鶏の技術革新と経済成長が重なり、卵は安定した価格で広く家庭の食卓に定着したのです。

参照:農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター「採卵種鶏の輸入及び国内供給を担う輸入販売会社の事業展開」

令和:激動の2023年!過去に例を見ない価格高騰

2023年、日本の卵価格は過去に例を見ないほどの高騰を記録しました。

2023年4月、卵Mサイズ1㎏の東京卸値は350円と、統計開始以来の最高値に達しました。これらの価格高騰の主な要因は以下の3つがあげられます。

  • 2022年から続く鳥インフルエンザの大流行による大規模な鶏の殺処分
  • ウクライナ情勢・円安などによる飼料価格の高騰
  • 記録的な猛暑による産卵率の低下

特に、鳥インフルエンザの影響は大きく、全国で1,700万羽を超える鶏が殺処分されたことで供給が急減し、市場の流通量が大きく落ち込みました。

なお、2025年年明け以降も鳥インフルエンザの発生が急増しており、加えてウクライナ情勢や円安の影響も続いています。これらの要因から、卵の価格は今後も高止まりが続く見通しです。

参照:農林水産省「鳥インフルエンザに関する情報」

昔と今の卵、何が変わった?消費者が知るべき卵の価値と選び方

卵の価格が長年安定していたのは、養鶏技術の進歩や生産から流通に至るまで生産者のたゆまぬ努力があってこそです。

しかし、近年の価格高騰を受けて、卵の価値や選び方を見直すことが求められる時代となりました。今こそ、消費者が知っておきたい卵の本当の価値と、自分や家族に合った卵を選ぶためのポイントを整理してみましょう。

「安い卵」の背景にあったもの

卵は、今まで安くて栄養価も高く、毎日の食卓に欠かせない身近な食品でした。しかし、その裏側には、生産者が抱える深刻な課題が潜んでいます。

令和元年における採卵養鶏の1経営体あたりの農業所得は、1,383万円の赤字。また、1羽あたりの生産コストは3,338円にのぼります。

令和元年の東京における卵Mサイズ1kgあたりの卸売価格をもとに換算すると、卵1個あたりの販売価格は7〜14円程度です。

一般的に採卵鶏は年間に約300個の卵を産みますが、1羽が生む卵の売上は約2,000〜4,000円にとどまり、生産コストを差し引けばほとんど利益が残らないか赤字になる計算です。

この価格差が生まれた背景には、以下の要因があげられます。

  • 自動化や効率化でコストを削減している一方、初期投資や維持費は高額
  • 卵は安売りされやすく、小売価格が上がりにくい
  • 長年の低価格により、値上げへの抵抗感が強い
  • 中小規模の養鶏業者が多く、価格交渉力が弱い

このように、現在の卵の価格水準では、採卵養鶏の経営は極めて厳しい状況に置かれています。さらに、鳥インフルエンザの流行や飼料価格の高騰、生産コストの増加によって、養鶏農家への負担は一層深刻化しています。

卵が安いことは消費者にとって喜ばしい反面、その「安さ」が維持され続ける限り、生産者にとってはまさに死活問題となりかねません。適正な価格で取引される環境が整わなければ、持続的な国産卵の供給は難しくなるでしょう。

参照:鶏鳴新聞「令和元年の農業所得 採卵養鶏は赤字、ブロイラー養鶏は黒字」農畜産業振興機構「元年12月の鶏卵相場、3カ月連続で前年を上回る」

高品質・ブランド卵の登場と多様化

卵の価格高騰が問題視される一方、高品質な「ブランド卵」に注目が集まっています。

ブランド卵とは、生産者が鶏の飼育方法や飼料にこだわって生産した独自の価値を持つ卵のことを指します。

一般的な卵は、トウモロコシやなたね粕などの輸入飼料が使用される場合が多いですが、ブランド卵では有機飼料を用いたり、平飼いなど自然に近い環境で飼育されたりするケースが多く見られます。

こうした卵は大量生産が難しく、市場に出回る数も限られています。また、スーパーの特売や相場の影響を受けにくく、価格は1個あたり50円〜200円程度と高めに設定されています。

しかし、味や栄養価に優れており、その品質の高さから国内にとどまらず海外市場からも注目されており、日本発のブランド卵が輸出されるケースも増えています。

今日の卵の値段から見える私たちの食卓

卵の値上げは、単なる価格の問題にとどまらず、私たちの食卓の変化を映し出しています。

これまで卵は「いつでも、どこでも安く手に入る」存在でした。しかし2023年以降、飼料価格の高騰や鳥インフルエンザの流行、物流費の上昇など、さまざまな要因が重なり供給量は大幅に減少しました。

その結果、需要に対して供給が追いつかず、価格が急騰する事態となりました。経済の基本原則として、需要が一定のまま供給が減れば、価格は上がります。卵はまさにその典型であり、同様の現象が今後ほかの食品にも波及する可能性があります。

このような変化を受けて、「とりあえず安いから買う」という意識から、「本当に必要かどうか」「どこで、どのように買うか」といった調達スタイルや価値観の見直しが求められています。

今後の卵の価格はどうなる?消費者としてできること

卵の価格高騰が続く中、私たち消費者は日々の買い物や食生活を見直すタイミングが訪れています。家計や食卓を守りながら、安心して卵を取り入れるために、どのような工夫や選択ができるのでしょうか。

供給回復と飼料価格の動向がカギ

今後の卵の価格がどうなるかは、主に供給体制の回復と飼料価格の推移に左右されます。鳥インフルエンザの影響による鶏の減少が落ち着き、生産量が安定すれば価格も下がる可能性があります。

飼料の国際価格や円安の動向も重要です。飼料価格が高いままだと、卵のコストも上がりやすくなります。消費者としては、こうした背景に目を向けることで価格変動への理解が深まります。

物価高騰時代を乗り切る卵の賢い買い方・使い方

物価高騰が続く中、卵を賢く購入し無駄なく使う工夫が求められます。まずは、特売やまとめ買いを活用し、賞味期限内に使い切れる量だけを購入しましょう。

卵はさまざまな料理にアレンジできるため、レシピを工夫して食材のロスを防ぐことが大切です。

また、地元産や信頼できる生産者の卵を選べば、地域の養鶏農家を応援できます。価格だけでなく、品質や生産背景にも目を向けましょう。

応援したい!日本の養鶏農家の現状と課題

日本の養鶏農家は、飼料価格の高騰や鳥インフルエンザの感染症対策、設備投資など、多くの課題に直面しています。

特に、小規模農家ほど採算性の悪化に悩んでいる現状です。消費者としては、産地や生産方法に関心を持つ、農家直送サービスを利用するなどの方法で応援できます。

まとめ

卵は、時代とともに価格や価値が大きく変化してきました。「物価の優等生」として長く親しまれてきた一方で、近年は価格の高騰や生産現場の厳しさが深刻な課題となっています。

これからも、私たちが安心・安全な国産卵を食卓で楽しみ続けるためには、ただ「安さ」を求めるのではなく、適正な価格や生産者が抱える問題にも目を向けることが大切です。

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