卵の栄養について養鶏場のプロが解説。卵の栄養は食べ方で変わる!
卵は健康やダイエットにいいと聞いたことがあるけれど、具体的な栄養素までは知らない方も多いのではないでしょうか。
実は「完全栄養食」とも呼ばれている卵には、私たちの健康的な身体を作る上で必要な栄養素がたっぷり含まれています。
しかし、食べ方や調理法によっては得られる栄養価に違いがあり、より効果的に摂取するためにも正しい知識が必要です。
そこで今回は「かっぱの健卵」というブランド卵を販売する、卵を知り尽くした大熊養鶏場が、卵に含まれる栄養素について徹底解説します。
一番栄養価を高く摂取できる食べ方についても紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください!
卵一個に含まれる栄養素
卵の栄養素やカロリーはサイズによって異なりますが、目安となる数値は以下の通りです。
サイズ | カロリー[kcal] | 脂質[g] | タンパク質[g] |
---|---|---|---|
Sサイズ(46g〜52g) | 70 | 5.1 | 6.1 |
MSサイズ(52g〜58g) | 78 | 5.7 | 6.8 |
Mサイズ(58g〜64g) | 87 | 6.1 | 7.3 |
Lサイズ(64g〜70g) | 95 | 6.8 | 8.2 |
卵の代表的な栄養素と言えば、ダイエットにも効果的な「タンパク質」。
スーパーなどでよく目にするM〜Lサイズの卵には、卵一つで7〜8gのタンパク質が含まれています。
厚労省の食事摂取基準によると、一般成人男性のタンパク質摂取基準は1日あたり60gであるため、卵1つで約13%ものタンパク質が摂取できるという計算になります。
他にも、卵には上記栄養素だけでなく、多くのビタミンや、カルシウム、鉄、亜鉛、葉酸など、私たちの健康を維持するために必要な栄養素が豊富です。
卵は完全栄養食とも呼ばれているように、余すところなく栄養素が含まれている食材なんです。
卵の黄身や白身ごとの栄養価
卵一つに含まれている栄養素は先ほどの通りですが、実は黄身と白身でそれぞれ含まれている栄養価が違うことをご存知でしょうか。
ここでは、卵の部分ごとに分けて主な栄養価についてみていきましょう。
黄身の栄養
黄身の特筆すべき栄養素は「脂質」にあります。黄身に含まれる脂質の主成分はリン脂質といい、脳や細胞膜、神経組織などを作る重要な栄養素です。
リン脂質を多く含む大豆と比較すると、その数はなんと3倍にも及びます。
また、黄身に含まれる「コリン」という物質は、記憶力や認知症などに効果を発揮するといわれています。
特に高齢者の方は、認知症の予防や脳の活力アップのためにも、卵を摂取することをおすすめします。
白身の栄養
黄身と比べると栄養価は劣りますが、白身には良質な低脂肪の「タンパク質」が含まれています。
また、卵白に含まれているセレンという物質には、悪玉コレステロールの酸化を抑えたり、丈夫な体を維持するために必要な免疫力を保つ働きがあります。
さらに、白身は黄身よりも低カロリーなのが特徴です。生卵の可食部100gあたりのカロリーは、黄身が387kcalなのに対して白身はたったの47kcal!
卵がダイエットに効果的なのは、白身のヘルシーさも理由の一つになります。
カラザには栄養はある?
カラザとは、生卵を割ったときに卵黄のふちにくっついている白いひものような塊のことをいいます。
カラザには免疫力を高める効果のあるシアル酸をはじめ、カルシウムやビタミンB1、B2などの栄養も豊富に含まれています。
見た目や食感を気にして取り除かれることも多い部分ですが、捨てずにそのまま食べるのがおすすめです。
卵から得られる6つの栄養効果
続けて、卵を食べることで私たちにどんな影響をもたらしてくれるのか、6つの栄養効果について紹介します。
①疲れにくい体になる
卵にはアミノ酸が豊富であり、このアミノ酸には疲労回復や筋肉を強化する効果があります。また、卵に含まれるリゾチームは風邪の細菌を溶かす働きがあり、体調を壊しやすくなる寒い季節には、意識して卵を食べるようにしましょう。
さらに「アミノ酸スコア」という、タンパク質と必須アミノ酸のバランスを示す指標では、卵の点数は100に達しており、非常に優れた食品であることがわかります。
卵のアミノ酸スコアについては、こちらの記事が参考になります。②太りにくい体質になる
タンパク質を摂ると食欲を抑えるレプチンや、PYY3-36という成分が、お腹が空いた時にシグナルを出す『グレリン』というホルモンの働きを抑制します。
そのため卵を食べると食欲が抑えられ、ダイエットにも効果的と言えます。
③記憶力が良くなる
卵のコリンという成分にはミネラルが豊富に含まれており、記憶力を高める神経伝達物質のアセチルコリンを作る材料になっています。
卵を毎日摂ることで、脳細胞同士のコミュニケーションが高まり、脳が活性化するので記憶力アップにも期待できます。
④目の老化を防いでくれる
黄身に含まれるルテインは、目の中の水晶体や黄斑部に存在する成分で、強力な抗酸化作用を持っています。
目の老化を引き起こす活性酸素を抑えたり、有害なブルーライトや紫外線から目を守ってくれる働きがあります。
⑤美肌を保ってくれる
卵黄に含まれるビタミンの一種ビオチンは、糖質・脂質・タンパク質の代謝を助け、健康な細胞を作る働きがあり、肌や皮膚の再生力を高めると言われています。
また、脳を活性化させるコリンも含まれており、肌のハリの元となるエラスチンコラーゲンを修復するビタミンB群を作ります。
⑥二日酔いを防止してくれる
卵に含まれているメチオニンは、肝臓でアルコールを分解するのに必要な物質で、二日酔いの薬にも使われている成分です。そのため、卵を食べることは二日酔いの改善にも役立つとされています。
卵の色や種類による栄養の違い
赤卵と白卵
よくスーパーなどで販売されている卵には、殻が白い卵と赤い卵(茶色い)が並んでいます。
なかには「赤い卵の方が高いし美味しい!」や「白い卵よりも栄養が豊富!」といったことを聞きますが、実はこれらの卵にはそれほど大きな違いはありません。
赤い卵と白い卵、味や栄養素はどちらも同じで、違うのは見た目だけになります。
なぜ殻の色に違いがあるのかは以下の記事で解説しています。
有精卵と無精卵
有精卵と無精卵に栄養の違いはないとされています。
なんとなく有精卵の方が栄養価が高い印象を持つ方も多いと思いますが、実は栄養価の違いについては農林水産省から公式な発表があります。
有精卵と無精卵の栄養価の違いですが、違いは「精子があるかないか」というだけで、栄養的な違いはありません。
引用:農林水産省「消費者の部屋」
栄養以外の異なる点については以下の記事を参考にしてください。
卵の食べ方で変わる栄養の違い
ここまで、卵の栄養や得られる効果について解説してきましたが、食べ方によって栄養価に違いは起きるのでしょうか?
結論、卵の食べ方次第で摂取できる主な栄養価が異なることがわかっています。
ここでは、食べ方の違いによる栄養価についてそれぞれ見ていきましょう。
栄養価が一番高い「生卵」
卵に含まれるタンパク質やビタミンB群は熱に弱く、加熱することでその数値は減少してしまいます。
そのため生卵が苦手でなければ、加熱せずに食べる方が一番栄養価を高く摂取することができます。
消化に良い「半熟卵」
半熟卵で食べる場合、栄養価の違いに大きな変化はありませんが、消化に良いという点で優れています。
お腹への負担を抑えつつ、卵の豊富な栄養素をまんべんなく摂取したい場合は、半熟卵で食べるのがおすすめです。
美容に効果的なビオチンが得られる「ゆで卵」
ゆで卵で食べる場合、特に得られるのがビタミンHである「ビオチン」という栄養素です。
ビオチンには髪の毛を作る成分が多く含まれており、育毛効果が高いとも言われています。
このビオチンを卵から摂取するには、ゆで卵が最も適しています。
卵の効果的な食べ方
黄身と白身では栄養価が異なるため、卵の栄養を最も効率よく摂取するためには、黄身と白身を一緒に食べるのが効果的です。
ダイエットの観点から、カロリーを控えるために白身だけを摂取する方もいますが、白身だけを食事に取り入れても、卵本来の栄養価は得られず偏った栄養バランスになってしまいます。
健康的にダイエットするという意味でも、黄身・白身の両方をきちんと食べるようにしましょう。
白身のどろっとした食感が苦手な方は、手軽でお弁当などにも活用できる「ゆで卵」にして食べるのがおすすめですよ。
まとめ
今回は卵の栄養について、含まれる栄養素や得られる効果、種類や食べ方による栄養の違いについて解説しました。
卵は完全栄養食とも呼ばれているように、私たちの健康的な身体を作る上で必要な栄養素が豊富に含まれている食材です。
卵の食べ方によって得られる栄養は多少異なりますが、より効果的に卵の栄養を摂取するためにも、黄身と白身は別々にせず、一緒に食べることが重要であることを覚えておきましょう。
大熊養鶏場の卵は、餌からこだわった高品質で美味しい卵です。
大熊養鶏場で製造している卵「かっぱの健卵」は鶏の餌からこだわった美味しい卵です。
一番栄養価の高い摂り方である生卵で食べる場合も、鶏の餌には科学物質や毒素になるようなものは一切排除しているため、生臭くなく苦手な方でも食べやすい卵となっています。
また、一般的な卵には含まれていないアスタキサンチンが豊富で美容にも効果的です。
気になる方はぜひ一度「かっぱの健卵」のこだわりをご覧ください。
かっぱの健卵の3つのこだわりをみてみる