卵酒の作り方と効果|風邪に効く理由と美味しく飲むコツ

風邪をひいたときや疲れているときに、卵酒を飲む方も多いのではないでしょうか。卵酒(たまござけ)は、日本の伝統的なホットカクテルです。体を芯から温めてくれるため、風邪予防や疲労回復に役立ちます。
本記事では、北海道比布町で「かっぱの健卵」というブランド卵を製造する大熊養鶏場が、卵酒が風邪に効く理由や、美味しく飲むためのコツを紹介します。
お子さまでも楽しめるアルコールを使わない卵酒レシピも紹介しますので、季節の変わり目にぜひ試してみてください。
卵酒とは?日本の伝統的な健康飲料

卵酒とは、酒に卵と砂糖を混ぜて作る、日本の伝統的な健康飲料です。ふんわりとした口当たりと、ほんのり甘い味わいが特徴で、体をじんわりと温めてくれます。ここでは、そんな卵酒の歴史や、風邪に効くといわれる理由について詳しく解説します。
卵酒の歴史と文化的背景
卵酒の歴史は古く、江戸時代の食物全般について記した「本朝食鑑(ほんちょうしょっかん)」にも登場しています。この書物には、卵酒は「精を益し、気を壮にし、脾胃を調ふ」と書かれています。
つまり、卵酒は生命力を高め、活力を増し、胃腸の働きを整える効果が期待できると考えられてきたのです。
日本に限らず、海外にも酒に卵を加えて飲む習慣があります。例えば、欧米や韓国では、卵・牛乳・砂糖・シナモンなどのスパイスを混ぜ、さらにラム酒やブランデーを加えた「エッグノッグ」がよく飲まれます。
卵酒もエッグノッグも、体を温める飲み物として親しまれており、とくに風邪をひいた時に飲まれることが多いです。酒と卵の組み合わせが体を温めるというのは、世界共通の定番といえます。
参照:白鶴酒造株式会社|酒博士 小泉 武夫先生が語る“酒噺”Vol.4「卵酒」
風邪に効くといわれる理由
古くから親しまれてきた卵酒が風邪に効くといわれるのには、2つの理由があります。
1つ目の理由は、卵酒に使われる日本酒が体を温め、血流を促進する効果が期待できるからです。
日本酒に含まれるアルコールにはアデノシンという成分があり、これには血管を拡張し、血流を良くする働きがあります。血流が改善されると体が温まり、凝り固まった筋肉を和らげる効果が期待できます。
2つ目の理由は、卵の白身には免疫力を高める酵素「リゾチーム」が含まれているからです。
リゾチームには有害なウイルスを溶かす作用があり、実際に風邪薬にも使われています。さらに、風邪の回復を助けるタンパク質、ミネラル、ビタミンB群も豊富に含まれています。
これらの理由から、卵酒は風邪に効くといわれています。ただし、あくまで対症療法のひとつとして考えましょう。体調が悪い時は無理をせず安静に過ごすことが大切です。
卵酒の基本的な作り方とポイント

ここでは、卵酒の基本的な作り方と、美味しく仕上げるためのポイントを紹介します。寒い日や温まりたいときに、ぜひお試しください。
材料と準備するもの
卵酒に必要な材料はとてもシンプルです。家にあるもので、手軽に作れます。砂糖と日本酒はお好みで調整してください。
注意
卵酒はアルコールを含む飲み物です。アルコールが苦手な方、お子さまが飲む場合は、アルコールの使用は避けてください。
ボツリヌス菌による乳児ボツリヌス症を発症する可能性があるため、1歳未満のお子さまにははちみつ、はちみつを使った食品は与えないようにしましょう。
卵酒は日持ちしないため、作ったその日に飲み切るようにしてください。
材料(2人分)
- 卵 2個
- 砂糖(または、はちみつ) 大さじ2
- 日本酒 300ml
準備するもの
- 大きめのボウル
- 泡立て器
- 鍋
- マグカップ
失敗しない作り方の手順
卵酒の失敗しない作り方の手順を紹介します。電子レンジでの作り方も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
基本の作り方
- ボウルに卵を割り入れ、泡立て器でしっかり混ぜる
- 卵が泡立つ状態になったら、砂糖を加えてさらによく混ぜる
- 日本酒を鍋に入れて火にかけ、沸騰する直前まで加熱したら火を止める
- (2)に(3)をゆっくりと少しずつ加え、湯煎にかけながら泡立て器でよく混ぜ合わせたら、カップに注ぎ完成
電子レンジを使った作り方
※電子レンジで作る場合は、卵1個、砂糖大さじ1、日本酒100ccの分量で、1人分ずつ作ります。使用するマグカップは、電子レンジ対応のものを準備してください。
- 耐熱用のマグカップに卵を割り入れ、卵が泡立つまでしっかり混ぜる
- さらに砂糖と酒を加え、しっかり混ぜる
- ラップをかけずに(2)を500Wの電子レンジで30秒加熱する
- 一度取り出しよく混ぜてから、再度500Wの電子レンジで30秒加熱する
- お好みの温かさ、とろみの状態になるまで(4)を繰り返して完成
卵がダマにならないコツ
卵酒を作る際に、卵がダマになってしまうとお困りの方は少なくありません。また、卵酒は卵がぼそぼそとして美味しくないと感じる方もいるでしょう。
卵酒は材料がシンプルなため、口当たりをいかに滑らかに仕上げるかが、美味しく作るためのポイントです。卵をとろりと滑らかに、口当たりよく仕上げるために、以下のコツを押さえましょう。
- 卵をよくかき混ぜる
- 温度差に注意する
- 卵に日本酒を注ぐ
- 最後までしっかり混ぜる
まず、卵が泡立つまで泡立て器でよくかき混ぜることが大切です。卵黄と卵白が均一に混ざっていないと、口当たりがぼそぼそと悪くなってしまいます。
砂糖を加えた後もしっかり混ぜ、滑らかな状態にしましょう。さらに、こし器で卵液をこすと、より口当たりが良くなります。
卵は60℃に達すると凝固が始まります。そのため、日本酒は熱々の状態ではなく、沸騰後に少し冷ましてから卵液に加えると、ダマになりにくいです。また、日本酒は一度に注がず、少しずつ加えながら混ぜることで、卵が固まるのを防げます。
最後のポイントは、日本酒を注いだ後も最後までしっかりかき混ぜることです。とろみが足りない場合は、湯煎や電子レンジを使い、少しずつ温めながら混ぜるととろみがつきます。
卵酒のアレンジレシピ|もっと美味しく楽しむ方法

ここからは、卵酒のアレンジレシピを紹介します。ちょっとしたアレンジを加えて、自分好みの味わいに仕上げてみましょう。
牛乳や豆乳を加えたクリーミーな卵酒
日本酒の風味が苦手な方は、牛乳または豆乳を加えるのがおすすめ!まろやかで優しい味わいを楽しめます。
材料(2人分)
- 卵 2個
- 砂糖(または、はちみつ) 大さじ2
- 牛乳(または豆乳) 200ml
- 日本酒 100ml
作り方
- ボウルに卵を割り入れて、泡立て器でしっかり混ぜる
- 卵が泡立ってきたら砂糖を加えて、よく混ぜる
- 鍋に日本酒を入れて加熱し、沸騰する直前で火を止める
- 牛乳をそそぎ、弱火でよく混ぜる
- (2)に少しずつゆっくり注ぎ、湯煎にかけながらよく混ぜる
- お好みの温かさ、とろみがついたら、マグカップに注いで完成
はちみつ・生姜・レモンを加えたさっぱり卵酒
はちみつのほんのりとした甘さと、生姜とレモンの爽やかさで、さっぱりと飲みやすい卵酒です。生姜のパワーで体もポカポカと温まります。寒い日のリラックスタイムにぜひお試しください。
材料(2人分)
- 卵 2個
- はちみつ 大さじ3
- 日本酒 200ml
- 生姜汁 大さじ1
- レモン汁 大さじ1
作り方
- ボウルに卵を割り入れ、しっかり混ぜる
- 卵が泡立ってきたら、はちみつを加えてさらによく混ぜる
- 日本酒を鍋に入れて火にかけ、沸騰する直前まで加熱したら火を止める
- (2)に(3)を少しずつゆっくりと注ぎ、湯煎にかけながらしっかり混ぜる
- 生姜汁、レモン汁を加えて、よく混ぜたら完成
酒粕を使った栄養たっぷり卵酒
酒粕を使った、栄養たっぷりの卵酒です。酒粕には、血圧の上昇を抑える働きを持つペプチドや、整腸作用が期待できる食物繊維など、体に嬉しい栄養素が豊富に含まれています。ぜひ、毎日の健康維持に取り入れてみてください。
材料(2人分)
- 卵 2個
- 酒粕 100g
- 水 300ml
- 砂糖 大さじ2
作り方
- 酒粕は一口大にちぎる
- 鍋に水を入れ強火にかけ、沸騰したら(1)を入れて弱火にし、よくかき混ぜる
- 全体がなじんだら強火にし、砂糖を入れてよく混ぜたら火を止める
- 卵をボウルに割り入れ、泡立つまで泡立て器でよく混ぜる
- (4)に(3)をゆっくり少しずつ注ぎ、よくかき混ぜたら完成
アルコールを飛ばした卵酒の作り方

卵酒はアルコールが含まれているため、アルコールが苦手な方はアルコールをしっかり飛ばすことが大切です。また、アルコールを使わない子供向けの卵酒の作り方もあります。
お酒が苦手な人や子供向けの作り方
お酒が苦手な方は、日本酒を2〜3分程沸騰させてしっかりアルコールを飛ばしてください。日本酒の独特の風味が苦手という方は、焼酎や梅酒などお好みのお酒で作ってみてください!
材料(2人分)
卵 2個
砂糖(または、はちみつ) 大さじ2
日本酒 300ml
作り方
- 鍋に日本酒を入れて加熱し2〜3分程加熱させた後、火を止めて冷ましておく
- ボウルに卵を割り入れ、泡立つまで泡立て器でよく混ぜる
- (2)に砂糖を入れて、しっかり混ぜる
- (3)に(1)をゆっくり少しずつ注ぎ、よく混ぜて完成
子供向けの卵酒は、ノンアルコールの米麹甘酒を使うと安心です!簡単に美味しく作れるので、ぜひお試しください。
材料(1人分)
- 卵 1個
- 米麹甘酒(ノンアルコールのもの) 100ml
作り方
- ボウルに卵を割り入れて、泡立て器でよく混ぜる
- 甘酒を耐熱用のカップに入れて、600Wの電子レンジで20秒程加熱する
- (1)に(2)をゆっくり注ぎ、よく混ぜ合わせて完成
ポイント
甘さが足りない時は、砂糖を入れてください。生姜や牛乳を加えても美味しいですよ!
レンジ加熱と湯煎の違い
卵酒を温めたいとき、レンジ加熱と湯煎のどちらが良いか迷うこともありますよね。結論から言うと、どちらでも問題ありませんが、それぞれ風味や仕上がりに違いがあります。
レンジ加熱は、短時間で作れることや、洗い物が少なくて済むといったメリットがあります。ただし、湯煎に比べて温度ムラができやすく、卵がダマになりやすいため、少しずつ加熱しながら、よくかき混ぜることが大切です。
一方、湯煎は、ゆっくりと均一に温まるため、口当たりが良く、なめらかな仕上がりになります。また、日本酒の風味がより残るため、本格的な卵酒を作りたい場合におすすめです。
湯煎は手間がかかる、湯煎用のお湯を用意しなければならない点がデメリットですが、美味しさを優先するならおすすめの方法といえます。
かっぱの健卵でより美味しい卵酒

美味しい卵酒を作りたいなら、「かっぱの健卵」がおすすめです!
「かっぱの健卵」は、北海道比布町(ぴっぷ)にある大熊養鶏場が生産している鶏卵です。大熊養鶏場では、清潔な飼育環境と安心・安全な自然由来のエサにこだわっています。
そんな大熊養鶏場で生まれた卵は生臭くなく、卵が苦手な方でも食べやすいのが魅力です。さらに、一般の卵には含まれないアスタキサンチンが豊富!美容にも効果的です。
美味しく栄養たっぷりな卵酒に、ぜひ「かっぱの健卵」をお試しください。
まとめ
今回は、寒い季節に体をじんわり温めてくれる「卵酒」について紹介しました。卵酒の美味しい作り方やアレンジレシピもあわせてお届けしました。
卵酒は、血流を良くする日本酒と、免疫力を高める効果が期待できる卵を組み合わせた、昔ながらの健康飲料です。風邪のひき始めや、冷えた体を温めたいときには、ぜひ試してみてください。
かっぱの健卵の3つのこだわり