離乳食の卵は冷凍OK!正しい保存法や注意点・アレルギーは?

「離乳食の卵を準備するのが大変…」そんなお悩みを抱えるママやパパもいるでしょう。
卵は、良質なタンパク質など栄養価が高い食材。赤ちゃんの離乳食に取り入れたいものの、少量だけ調理するのは時間もかかります。
そこでおすすめなのが、離乳食用の卵の冷凍保存です。あらかじめ調理して冷凍ストックしておけば、少量ずつ使えるので準備する手間も時間も省けます。
今回は、北海道の比布町で、「かっぱの健卵」というブランド卵を製造する大熊養鶏場が、離乳食の卵の正しい冷凍保存の方法を解説します。冷凍・解凍する際の注意点やアレルギー対策についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
離乳食用の卵は冷凍できる?

離乳食用の卵は冷凍できますが、部位や調理方法によって異なります。以下では、卵の冷凍方法を詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
離乳食用の卵は冷凍OK!冷凍できる種類とできない種類
離乳食用の卵のうち、冷凍できる卵の種類は以下の通りです。
冷凍できる | 冷凍できない・おすすめしない | ※離乳食向きではない |
---|---|---|
ゆで卵の卵黄(黄身)炒り卵薄焼き卵 | ゆで卵の卵白(白身)茶碗蒸しプリン | 生卵半熟卵 |
一般的に水分が多い食材は、冷凍に向いていません。
卵白は、全体の約90%が水分で、残りがほぼタンパク質で構成されており、冷凍・解凍すると水分が抜けてゴムのような固い食感に変化してしまいます。また、茶碗蒸しやプリンも水分が抜けて「す」が入り、ボソボソとした食感になります。
一方、卵黄は水分とタンパク質のほかに、乳化作用のある脂質(レシチン)が含まれているため、冷凍・解凍しても食感が変わりにくく、冷凍保存に向いています。
全卵を使った炒り卵や薄焼き卵は冷凍・解凍する際にパサつきやすいものの、ひと工夫加えれば食感の変化を気にせずに食べられます。冷凍保存の方法については、後段で詳しく解説しますので、ぜひチェックしてみてください。
離乳食用卵の正しい冷凍保存方法(ゆで卵・炒り卵・卵黄ペーストなど)
ゆで卵の冷凍保存方法
ゆで卵を冷凍保存する際は、お湯で20分以上ゆでた卵を準備してください。
- 卵黄と卵白に分ける
- 卵黄を細かくすりつぶす
- 1回分量ずつに分けて、離乳食用の保存容器に入れて、冷凍庫に入れる
※ラップに包んでもOK。その場合は、フリーザーバッグなどの冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて密閉してから冷凍保存してください。
離乳食初期など、ごく少量で使いたい場合は、薄く平らな状態にしてラップで包んでから密閉してください。使う際は、少量ずつパキッと折ってから解凍すると便利です。
炒り卵・薄焼き卵の冷凍保存方法
- 1回分量ずつに分けて、ラップに包む
- フリーザーバッグなどの冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて密閉してから冷凍保存する
卵黄ペーストの冷凍保存方法
- 製氷皿に、卵黄ペーストを1回分量ずつ入れる
- ラップをかけて、冷凍庫に入れて凍らせる
- 凍った状態の卵黄ペーストを冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて密閉してから冷凍保存する
注意
離乳食用の卵は新鮮な食材を使い、中までしっかり火を通してから冷凍保存することが大切です。手や調理器具をしっかり洗い、衛生面に注意するようにしましょう。冷凍した離乳食用の卵は、1週間以内に食べ切るようにしてください。
冷凍卵の解凍方法と注意点(食感を損ねない解凍のコツ)
離乳食用の冷凍卵を解凍する際は、電子レンジ、または鍋やフライパンで解凍できます。ただし、少量の離乳食は焦げやすいため、小まめに状態を見て必要に応じてお湯やだし汁を加えながら加熱しましょう。
ゆで卵(卵黄)の解凍方法
- 耐熱容器に冷凍した卵黄を入れて、ラップをふんわりかける
- 600Wの電子レンジで30秒ほど加熱する
※ごく少量を使う際は、おかゆやスープに混ぜて加熱するのがおすすめ
炒り卵・薄焼き卵の解凍方法
- 耐熱容器に冷凍した炒り卵・薄焼き卵を入れて、ラップをふんわりかけてから、600Wの電子レンジで30秒ほど加熱する
- 様子を見ながら、10秒ずつ追加で加熱し、中までしっかり火を通す
卵黄ペーストの解凍方法
- 耐熱容器に卵黄ペーストを入れ、ラップをふんわりかける
- 600Wの電子レンジで30秒ほど加熱する
- 途中で一度取り出し、かき混ぜる(水分がなければ、だし汁やお湯を加える)
- 様子を見ながら10秒ほど追加で加熱し、中までしっかり火を通す
※少量の場合は、だし汁やスープに凍ったまま入れて加熱するのがおすすめ
食感の変化を抑えるためには、加熱しすぎず中まで火をしっかり通すことが大切です。電子レンジは大さじ1の量に対して600Wで30秒加熱し、様子を見ながら追加で加熱してください。鍋やフライパンを使う場合は、弱火でじっくり火を通しましょう。
また、電子レンジで解凍する際は、ラップはふんわりとかけ、すき間を開けた状態にすると食感の変化を抑えられます。加熱した後はラップを外さず、上に放冷剤をのせるのがおすすめ。食材の乾燥を防ぎ、しっとり感を保ちやすくなります。
離乳食の卵はいつから?アレルギーのリスクと進め方

卵は、食物アレルギーの原因につながる代表的な食材のひとつです。離乳食で卵を与える際は、赤ちゃんの月齢や離乳食の進み具合に応じて段階的に少しずつ進めましょう。
アレルギー症状を引き起こしやすいのは、卵黄よりも卵白です。そのため、離乳食で卵を与える際は卵黄・卵白・全卵の順番で進めましょう。
卵の進め方・スケジュール
月齢 | 形状 | 1回あたりの目安量 |
---|---|---|
生後6ヶ月~(離乳食初期) | 固ゆでした卵黄を滑らかに裏ごしする | 耳かき1杯程度~ |
生後7ヶ月~8ヶ月(離乳食中期) | 固ゆでした卵黄を裏ごしする・すり潰す固ゆでした卵白をすり潰す※舌ですり潰せる固さ | 卵黄1個~全卵1/3個※卵白は耳かき1杯程度から始める |
生後9ヶ月~11ヶ月(離乳食後期) | 3~4mm角のみじん切り※歯ぐきで潰せる固さ | 全卵1/2個 |
生後12ヶ月~18ヶ月 | 舌の動きや噛む力に合わせて大きさを変える※歯ぐきで噛める固さ | 全卵1/2~2/3個 |
卵は生後6ヶ月ごろからOK!
離乳食の卵は、生後6ヶ月頃から与えられます。おかゆや野菜など他の食材に慣れたら、固ゆでした卵黄を少量から始めてみましょう。
初めは耳かき1杯程度から始めて、問題なければ2杯といった具合に与える量を増やしていきます。卵1個分の卵黄が食べられるようになったら、卵黄と同様に固ゆでした卵白を耳かき1杯から与えていきます。
ただし、これらはあくまで目安です。すでに卵アレルギーが発覚している場合には、かかりつけ医の指導に従って進めてください。
卵アレルギーの主な症状と対策
卵アレルギーの主な症状は、以下の通りです。
- 皮膚の赤みや痒み・蕁麻疹
- 喉の痛み・咳
- 嘔吐・下痢
- 呼吸困難 など
卵アレルギーの症状はさまざまで、軽度のものから重度のものもあります。ほとんどは、食べてから15分程度、遅くても2時間以内に症状が現れますが、ごく稀に半日〜2日後に症状が出る場合もあるため注意が必要です。
卵を食べさせた後は赤ちゃんの様子をよく観察し、気になる症状が現れた際は、かかりつけ医に相談しましょう。
また、赤ちゃんの体調がすぐれないときは、アレルギー症状がより強く出やすいため、離乳食用の卵は赤ちゃんが元気なときに食べさせるようにしましょう。
湿疹やアトピー性皮膚炎など、皮膚トラブルがなかなか改善されない赤ちゃんの場合は食物アレルギーが存在している可能性も考えられます。かかりつけ医に相談したうえで、卵を与えた方が安心です。
初めて卵を食べさせるときのポイント
- しっかり加熱する
- ごく少量の卵黄から始める(耳かき1杯程度〜)
- 平日の午前中など受診できる時間帯に与える
初めて卵を食べさせるときは、沸騰したお湯で20分ほど固ゆでした卵黄をごく少量から食べさせましょう。
アレルギー反応を引き起こすアレルゲンは、卵黄よりも卵白の方に多く含まれています。また、生の状態よりも加熱した卵の方がアレルギーは起こりにくいとされています。
卵を食べさせた後は、赤ちゃんの様子をしっかり観察することも重要です。アレルギーが疑われる症状が見られたら、自己判断せずにかかりつけ医に相談するようにしましょう。
なお、受診する際は、「何を・いつ・どのくらい食べさせたか?」「どのような症状がでたか?」を確認しておきましょう。また、症状がわかる写真を撮っておくのもおすすめです。
参照:水戸済生会総合病院「水戸済生会総合病院|小児科知識ブログ|【鶏卵アレルギー】アレルギー検査のオボムコイドってなに?」
離乳食で卵を使うときの注意点

離乳食で卵を使うときは、いくつかの注意点があります。安心・安全に離乳食に取り入れるためにも、しっかりチェックしましょう。
中までしっかり火を通す
離乳食で卵を使うときは、しっかり中まで火を通すようにしましょう。卵は卵黄よりも卵白の方がアレルギーリスクが高く、そのほとんどが卵白に含まれる「オボアルブミン」と「オボムコイド」というタンパク質が原因です。
このうち、オボアルブミンは加熱すると、タンパク質の構造が変化し、アレルギーを起こす可能性は低くなります。
加熱すれば、アレルギーが起こらないというわけではありませんが、生の状態よりも加熱した卵の方がアレルギーの原因となるタンパク質を減らせるのです。
参照:独立行政法人 環境再生保全機構「ぜんそく予防のためのよくわかる食物アレルギー対応ガイドブック P9、P35」
新鮮な卵を使う
離乳食用の卵は、なるべく新鮮な卵を選ぶようにしましょう。賞味期限が切れたものや、正しく保存されていない卵は、嘔吐や下痢などの食中毒を引き起こすリスクがあります。購入した卵はすぐに冷蔵庫に入れ、賞味期限内に消費することが大切です。
また、赤ちゃんは大人に比べて免疫力が弱く、細菌に対する抵抗力も低いため、離乳食に使う卵は作った当日に与え、冷凍保存する場合は1週間以内を目安に使い切ることが大切です。
卵を使った離乳食用の簡単レシピ
卵を使った離乳食の簡単レシピを紹介します。ぜひ参考にして、毎日の離乳食作りに取り入れてみてください。
卵黄ペースト(初期向け)

材料(作りやすい分量)
- 卵 1個
- お湯(または、だし汁や野菜スープなど) 適量
作り方
- 鍋に卵と、卵がかぶるくらいの水を入れて火にかける
- 沸騰したら20分ほどしっかりゆでる
- 冷水につけて殻を向き、白身を割って卵黄を取り出す
- 細かく潰し、茶こしやこし器をつかって裏ごしする
- お湯、またはだし汁や野菜スープを加えてペースト状に伸ばして完成
注意
卵白に含まれるアレルゲンが卵黄に移行するため、卵をゆでた後は、すぐに卵黄と卵白を取り分けてください。
卵と野菜のおかゆ(中期向け)

材料(1食分)
- 固ゆでした卵黄 1/2個分
- 7倍がゆ 50g
- 野菜(にんじん、かぼちゃなど) 15g
作り方
- 卵黄はすり潰す
- 野菜は柔らかくゆで、すり潰す(固さは、絹ごし豆腐くらいが目安)
- 器に7倍がゆを盛り、(1)と(2)をのせて完成
卵と豆腐のふわふわスープ(後期向け)

材料(1食分)
- とき卵 1/3個
- 豆腐 30g
- ほうれん草(葉の部分) 15g(大3枚分)
- だし汁(または、野菜スープ) 80g
作り方
- ほうれん草は、柔らかくゆで、細かく刻む
- 豆腐は1.5cm角に切る
- 鍋にだし汁を煮立て、豆腐を入れて中火で煮る
- ほうれん草を加えたら、溶き卵を入れ、火を通して完成
まとめ:離乳食の卵は冷凍保存を上手く活用しよう
離乳食用の卵は、冷凍保存で手間を省けます。ただし、卵黄や炒り卵、薄焼き卵は冷凍可能ですが、卵白は冷凍保存に不向きなので注意が必要です。新鮮な卵をしっかり加熱し、小分けにして冷凍しましょう。
解凍する際は、電子レンジまたは、鍋やフライパンを使って加熱してください。このとき、加熱しすぎず、中までしっかり火を通すようにしましょう。
安心・安全に離乳食を進めるためにも、新鮮な卵を選びたいですよね。
そこでおすすめなのが、大熊養鶏場で製造している卵「かっぱの健卵」。
「かっぱの健卵」は、化学物質や毒素を一切排除した餌と、清潔な飼育環境にこだわっています。そんな大熊養鶏場で育った健康な鶏から産まれた卵は、生臭くなく赤ちゃんも安心して食べられます。
毎日の離乳食作りに安心・安全な食材を取り入れるためにも、ぜひ「かっぱの健卵」をお試しください。
かっぱの健卵の3つのこだわり