スーパーの卵は生で食べられる?安全性・賞味期限・保存方法を徹底解説

スーパーの卵は生で食べても安全?賞味期限を過ぎた卵は生で食べられる?そんな疑問を抱えている方も多いでしょう。とくに、サルモネラ菌や賞味期限の問題を心配して、スーパーの生卵を食べるのを避けている方も少なくありません。
結論から言うと、日本のスーパーで売られている生食用の卵は厳しい安全基準が設けられているため、生の状態でも食べられます。ただし、食中毒などのリスクを防ぐためにも、いくつか注意すべきポイントもあります。
そこで今回は、日本の卵が生で食べられる理由や安全基準について徹底解説します。生卵を食べる際に気をつけるポイントも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
スーパーの卵は生で食べられる?

スーパーで売られている卵は、生食用と加熱用の2種類に分かれています。生食用の卵は、そのまま生で食べられるもので、スーパーで販売されている卵のほとんどがこれに該当します。
一方、加熱用の卵は主に業務用として流通しており、スーパーではあまり見かけないかもしれません。ただし、店舗によっては取り扱っている場合もあるため、購入時には表示をしっかり確認しましょう。
日本の卵の安全基準とサルモネラ菌対策
日本の卵は、サルモネラ菌のリスクを防ぐために、生食を前提とした以下のような厳格な衛生管理が徹底されています。
- 養鶏場での衛生管理
- GPセンターでの検査(洗卵・紫外線による除菌処理・サルモネラ菌の検査など)
- 機械や人の目による品質確認
- 安全衛生法に則った賞味期限の設定
これらの厳しい検査をクリアした卵が、日本の市場に流通しています。そのため、日本の卵がサルモネラ菌に汚染されている可能性は0.003%といわれています。
生食用と加熱用の違いとは?
生食用と加熱用の卵の違いは、衛生管理や安全性の基準にあります。先ほども述べた通り、生食用は生食を前提にした厳しい衛生管理が徹底されている点が特徴です。
一方、加熱用は加熱前提のため、生食用のような厳しい検査は行われていません。そのため、洗卵や除菌が施されず、常温で出荷される場合も多いです。
また、生食用は賞味期限、加熱用は消費期限が記載されています。パッケージにも、「生食用」または「加熱用」など、どちらの卵なのかわかるように記載されています。
- 生食用 :「生食用」または、「生で食べられます」など
- 加熱用:「加熱用」または、「加熱してお召し上がりください」など
日本のスーパーで販売されている卵のほとんどは生食用ですが、一部の店舗では加熱用の卵も取り扱っている場合があります。そのため、購入時にはパッケージをよく確認し、用途に合わせて選ぶよう注意しましょう。
海外の卵と日本の卵の違い(なぜ日本の卵は生で食べられる?)
日本の卵は、生食を前提とした厳格な衛生管理が徹底されていますが、海外ではそこまで厳しく管理されていません。その厳しい衛生管理があるからこそ、日本の卵は安心・安全に生の状態でも食べられるのです。
日本には生卵を食べる食文化がありますが、海外の国の多くは卵を生で食べる習慣がありません。そのため、海外の卵は加熱調理が前提となっており、日本のような洗卵や殺菌処理は行われていない場合がほとんどです。
養鶏場ではサルモネラ菌対策が行われますが、流通過程での厳しい検査は実施されず、低温管理も徹底されていません。海外の卵は日本の卵に比べてサルモネラ菌のリスクが高く、生で食べることを推奨していないのです。
生卵を食べる際に気をつけるポイント

以下では、生卵を食べる際に気をつけるポイントを紹介します。安心・安全に生卵を楽しむためにも、それぞれを詳しく見てみましょう。
サルモネラ菌のリスクと感染
日本の卵は、サルモネラ菌対策が徹底されているため、生卵を食べても感染リスクは極めて低いですが、ゼロではありません。サルモネラ菌はごく稀に卵の殻や内部に存在する可能性があります。
万が一感染すると、6〜72時間以内に急性の発熱、下痢、嘔吐、腹痛などの症状が現れます。とくに、小さなお子様や高齢者、免疫力が低下している方は重症化しやすいため注意が必要です。
サルモネラ菌は10℃以上で増殖し始め、75℃以上の加熱で死滅します。食中毒を防ぐためにも、生卵を食べる際は以下のポイントに注意しましょう。
- 賞味期限を過ぎた卵は生で食べない
- 購入後は速やかに冷蔵庫で保管する(ドアポケットは温度変化が大きいため避ける)
- 殻に割れやひびがある卵は生食しない
- 生卵は食べる直前に割る(長時間放置しない)
- 割った卵はすぐに食べる(放置せず、早めに食べ切る)
- 卵液に触れた手や調理器具はしっかり洗浄・消毒し、二次汚染を防ぐ
参照元:厚生労働省検疫所「FORTH|最新ニュース|2018年|サルモネラ症(チフス以外)(ファクトシート)」、株式会社東邦微生物病研究所「卵とサルモネラについて|食中毒|お役立ち情報」
賞味期限と消費期限の違い(生食できるのはいつまで?)
卵の賞味期限は、「生で安心して食べられる期限」として設定されています。そのため、賞味期限を過ぎた卵は、生で食べるのを避けましょう。
一般的な食品の賞味期限は、「メーカーが品質を保証する期限」を指し、適切に保存していれば期限を過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではありません。
しかし、卵の場合は冷蔵庫で適切に保存した状態で、サルモネラ菌のリスクが少ない期間を賞味期限として設定しています。スーパーで販売される卵の多くは、産卵日から約2週間が賞味期限です。
なお、加熱調理用の卵は、賞味期限ではなく消費期限が記載されています。安全に卵を楽しむためにも、生食用と加熱用、それぞれの期限を区別して取り扱う必要があります。
鶏の餌の品質
安心して生卵を食べるためには、鶏の餌の品質にも着目しましょう。とくに、鶏の健康に悪影響を与えるような添加物や化学物質が使われていないかを確認することが重要です。
また、餌によって卵の味や食感も変わります。より美味しく、安心できる卵を選ぶためにも、餌にこだわって育てられた鶏の卵かどうかをしっかりチェックしましょう。
鶏の育て方
鶏の飼育方法は、ゲージ飼い・平飼い・放し飼いの3つにわかれます。
- ゲージ飼い:金網の中で鶏を飼育する方法で、鶏舎の衛生管理がしやすい
- 平飼い:鶏を鶏舎の中を自由に歩ける飼育方法で、鶏はストレスフリーで育つ
- 放し飼い:屋外で自由に歩ける飼育方法。自然に近い環境で育つ
平飼いや放し飼いは鶏が自由に歩き回れるメリットがありますが、フンなどの衛生管理が徹底されていなければ美味しい卵は産まれません。衛生環境に問題ないか、しっかり確認しましょう。
北海道上川郡比布町(ぴっぷちょう)にある大熊養鶏場では、鶏を高床式のケージ飼いで飼育しています。フンを回収するベルトの完備や、EM菌を使用した餌など、衛生環境を徹底しています。
安心・安全に食べられる卵をお探しの方は、飼育方法と鶏の餌にこだわった大熊養鶏場の「かっぱの健卵」をお試しください。
かっぱの健卵 3つのこだわりまとめ
スーパーで販売されている卵のほとんどは生の状態で食べられます。ただし、一部の店舗では加熱用の卵を販売している場合があるため、パッケージをしっかりチェックしましょう。
また、日本の卵は生食を前提とした厳しい衛生管理が徹底されています。養鶏場やGPセンターでの衛生管理や検査が徹底されているため、海外に比べ安全性が高いのが特徴です。
ただし、賞味期限を過ぎた卵の生食は避ける、購入した卵は冷蔵保存し、割ったらすぐに食べるなど、自宅での衛生管理もしっかり行う必要があります。本記事で紹介した内容を参考に、安心・安全に生卵を楽しみましょう。